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VAR制度における「明確な誤審」? FIFAのオフサイド判定テクノロジー実験

Confederations Cupでテストされているビデオ・アシスタント・レフェリー制度。その中で最もインパクトを与えたのはがチリ-カメルーン戦でのオフサイドに関わるビデオ判定だったのは間違いないだろう。HT直前にチリのEduardo Vargasが見事なゴールを決めたがほとんどオフサイドかどうか分からない微妙な映像にデジタルの線が引かれ、「3cmのオフサイド」としてゴールが取り消された。ゴールを確信していた選手たちは納得いかず、激怒しながらロッカールームに戻ることになり、世界中の専門家、フットボール・ファンの間に議論を巻き起こしている。

 

VAR制度の大原則は「主審の判定に対し、『明確な誤審』と判断できる場合にのみVAR介入できる」というもの。これはプロトコル制定の当初から最も明確に重視されている部分であり、何が『明確な誤審』かについては今現在『中立なほぼ全員が判定が間違っていると同意する状況』と定義されている。

 

そもそもゴールの直前にオフサイドがあったかの判定に対してはテスト開始当初から「どこまでが明確なのか」が疑問視されていた。オフサイドの映像判定自体がカメラの設置位置や角度に大きく依存するため、厳密な判定が映像から行えるとは思われておらず、「明確な証拠」がなければピッチ上の審判団の判断が尊重されると思われていたため、Vargasのゴール取り消しが大きな衝撃を与えたのは当然だろう。

 

NOSでカメルーン-チリ戦を実況していたフルーテルも驚きと困惑があったと振り返った。「私はビデオ審判支持だったが保留するよ。このやり方では毎試合4, 5回の判定で待たなければならない。奇妙な経験だったと言わざるを得ないね。主審、選手、実況者にとって難しく、非常に馴染み無い出来事だった。全てを見返るべきかは疑問に思う。3cmのオフサイドオフサイドではゴールラインテクノロジーのようにはいかない。常に真実は一つではないんだ。Vargasの得点取り消しのように疑わしいケースでは不確定要素がたくさんある。選手が相手に向かって動いているか、正確にはいつボールがプレーされていたか。このシステムはどれだけ信頼性があるんだ?映像にラインが引かれていたが、それでもまだ完全に明確では無い」

 

KNVBのビデオ判定プロジェクト・リーダー マイク・ファン・デル・ルースト:「FIFAはConfederations Cupで最近開発された1cm単位までオフサイド・ポジションかどうかを確認できるシステムを実験している。「KNVBではまだ使われていない。まだ開発中のシステムであり、我々が9月にビデオ判定を始めた時はまだ無かった。それに我々が用いているプロトコルは2018年まで変わらない」

 

Vargasの得点はオランダのビデオ判定では絶対に取り消されなかったとファン・デル・ルースト: 「それは間違いない。このケースでは人間の目では判断できなかったし、TV映像でも無理。テクノロジーを用いなければオフサイドかどうかは見分けられなかったものだ」

 

IFABがこれだけ大きな衝撃を与えるシステムに突然テスト許可を出したのは疑問に思うが、ビデオ審判制度の大きな支持者である元トップ主審 マリオ・ファン・デル・エンデはオフサイド・ポジションが明確に判定できるシステムも歓迎している。

「まだ難点は多くあるが、結果は間違いなく良いものが出ている。もちろん全てがもっとスピーディにもっと明確が行われなければならないし、洗練が必要。それに喩え3cmのオフサイドでも、判別できるなら用いられなければならない。再生映像にすぐにラインを引くべきだったんだ。そうすればみんなにとってオフサイドだったことはすぐ明確になっていたし、我々が20分間も無駄な議論をすることも無かった。今回は後半が始まってからラインが引かれた再生映像がやっと流れた。あれはすぐに映像を出さなければいけない。それをしていれば我々はHTにトム・エフベルスとピエール・ファン・ホーイドンクがしていた無意味な話を聞く必要も無かったんだ」

 

フルーテルはビデオ審判は利益も大きいと今も信じているが、誰がビデオ審判を務めるかによっては大きくマイナスになると実感した。「カメルーン-チリ戦ではボタンを押していたのがClément Turpinだった。昨シーズン フェイエノールト-AS Romaを完全に台無しにしたあの主審だ。とても物知り顔の、ウンザリする男であり、ビデオ審判としてもこれ以上無くつまらないことに拘る男だ。スタディオンにいたほぼ全員があの試合にもの凄く不満をもったと思う。もちろんチリの選手たちは勝って喜んでいたが、チリの監督 Pizziは試合後に困惑していた。このシステムにはまだまだとても多くの変更が必要。今のままではゴール取り消しで選手たちの感情が台無しにされる」

 

それは慣れの問題でもあるとファン・デル・ルースト:「未知のものは好まれない。最も重要なのは大きな判定ミスがビデオ審判によって修正されること。そこが我々の取り組むべき点だ」

 

https://www.metronieuws.nl/nieuws/sport/2017/06/videoarbitrage-zorgt-juist-voor-nog-meer-discussie