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マッケリー、再びVARの歴史に名を残す。クラブWKで初介入&オン・フィールド・レビュー実施

Atletico NacionalとKashima AntlersによるクラブWKのハルフェ・フィナーレで31分にデニー・マッケリーが送ったシグナルがハンガリー人主審 Viktor Kassaiによって受け入れられ、フットボール界の歴史で初めてとなるビデオ審判の介入によるPKが与えられた。

 

時系列

27:50 ペナルティエリア内でのファールが見逃され、そのままプレーが継続

28:40 スローイン時に主審が再開を待たせてVARとコンタクト。

29:36 主審が笛を吹いてピッチサイドのスクリーン・アシスタントの元へ移動

30:07 オン・フィールド・レビューを終えた主審がPK判定の笛

 

デニー・マッケリー: 「明らかなファールだった。Kashima Antlersの選手はペナルティエリア内でかかとを蹴られていたが、ボールに関係無いエリアだったので主審はこの状況を見れていなかった」

 

その後プレーが続いたことについてマッケリー:「ボールはまだプレーされていたため、ファールだと100%確信できるまで我々は試合を止めるのを待った。我々は即座に映像を再生し、ボールがラインを割ってスローインになった時に主審に待ってもらい、彼にスクリーンの方に行くように求めた。これは時間がかかるが、審判にとって完全に見逃した状況でPKを与えるのは非常に難しいこと。オン・フィールド・レビューで我々が主審に映像を見せた。バスの中の私にも他のビデオ審判二人にも明確なPKだったし、主審も自ら映像を見た後で我々のシグナルを受け取り、PKを与えた」

 

ファールを受けた選手がオフサイドだったかの質問にマッケリー:「ファールを受けた選手はその瞬間、まだプレーに関与していなかったためオフサイドでは無い」

 

VARsの助言に時間がかかったことについてマッケリー:「判定の正確さは時間より優先。10秒から15秒でハッキリすることもあれば、もっとかかることもある。どれくらいスピーディにできるかは、映像の再生を上手くできるかにかかっている。適切なカメラショットを見つけなければいけない。プレーが止まっている時のレビューにかかった時間はハーフの最後に移される。それは第4審判の仕事。ボールがピッチ外に出た時に我々は主審に映像チェックを求めることができる。ここが重要なところ。プレーが再開されたらPKはもう与えられなかったからね」

 

この大会では全試合でVARs3人制が取られており、第1VARがリプレイを見て主審とのコミュニケーションを行い、第2VARが試合経過をそのまま映像で追い続け、第3VARが状況を議論するために映像をリプレイする役割を追う分業制を取っている。マッケリーはこの大会で第1試合に続いて第1VARとして2試合目。マッケリー:「今回もまた審判トリオはパーフェクトな試合を吹いたが、オフ・ザ・ボールの状況だったし、彼らには判断できなかった。これはTV映像使用の価値を示すものだ」

 

http://www.knvb.nl/nieuws/themas/arbitrage-20/22430/historische-penalty-wk-clubs-dankzij-videoscheids-makkelie

http://nos.nl/artikel/2148453-makkelie-videoscheids-heeft-zijn-nut-absoluut-bewezen.html

 

今回(MLSを除く)公式戦で初めて使用された主審の映像チェック オン・フィールド・レビューだが、マッケリーのコメントによって「VARが主審に求めることができる」ということが新たに分かった。VARの助言を受けた時に主審にはそのまま受け入れる、受け入れない、オン・フィールド・レビューを行って受け入れる、オン・フィールド・レビューを行って受け入れないの4つの選択肢があると思われるが、すでにIFABによってオン・フィールド・レビューについてのまだ明文化されていない新しいルールが存在しているかもしれない。

 

この大会は2017年からライブテスト参加国で始まる各ライブテスト前のFIFAによる最終チェックとしての役割を担っており、IFABの定めたVAR運用ルールに従ってオン・フィールド・レビューを含むVARの介入が正確に行われたことでテストはとりあえず成功したとIFABは見ている。ただし選手、監督レベルでもまだVARの運用ルールが理解されていないのは問題外として、もちろんまだまだVARの運用ルール自体にも問題点は多い。『明確な誤審の定義は?』、今回はオフサイドポジションの疑問もあったこと、3人協議制だったことでVARの介入が遅れたが、『VAR介入までの間に試合が大きく動いた場合の対応は?』(おそらくプレーが再開されるまでは一つ前のプレーに遡って判定を修正できるというルールの適応か)、主審の最終決定権を確保するために定められた『オン・フィールド・レビューに時間を掛ける必要があるのか?』がプレー面に関しての主な点だが、1分前のシーンに戻ってPKを取る際の選手たちへの説明を明確にできるかなども将来的に問題になるだろう。

 

これら問題点を吟味して行くには何よりもテストケースを増やしていくしかない。IFABのテクニカル・ディレクター David Ellerayは今後のライブテストでなるべく多くのデータを集めて検討したいと今後の指針を語った。

「2017年から公式なテストが始まったらIFABは各リーグ組織から送られた膨大な情報データをKU Leuven universityで分析する。ビデオ・レビューの使用頻度、主審の判定が支持、または変更される頻度を調べたい。より重要こととして、VARシステムが選手の振るまい、審判の振るまい、スタジアムのファンの反応、TV視聴者の反応にどのような影響を与えるかを調査したい。2018年か2019年に最終決定を下す前にはそうした膨大なデータが必要だ」

 

http://www.fifa.com/clubworldcup/news/y=2016/m=12/news=video-review-used-for-penalty-decision-in-fifa-club-world-cup-japan-20-2860247.html