Mijn Feyenoord

Feyenoordを中心にNederlands voetbalを追いかける

2014年夏の移籍市場だいたいのまとめ

WKの後で例のごとくトッププレイヤーが続々とオランダを去る夏に。KNVBの管轄下では昨夏の471件を大きく上回る計533件の移籍が行われ、その内28%の147選手がオランダを去っている。逆に国外からオランダに移ったのは108人。オランダ国内の移籍がのべ278人。レンタル移籍は65選手。ポルトガルなどの移籍市場はまだ数日開いている。

 

ADO Den Haag

フレーサー体制は上々の形で本格スタートを切ったと言えるだろう。ピッチ外ではシーナー人へのクラブ身売りで騒ぎになったが、当の新オーナーがまだ何もしておらず、移籍市場への資金投入も無し。ただプポン、ホラ、ベウヘルスダイクを失った程度で、GKにハンセン、DFラインにデライク、中盤にクリステンセン、前戦にハウトコープと即戦力を補強、ファン・ダイネンも残って久々に充実の戦力。

 

序盤4試合では1勝1分け1敗と昨シーズンの流れを維持しつつも勝ち点を取り切れていないが、すでに新戦力がチームに嵌っており、アルベルフも好調をキープ。現実的な目標は12位前後だが、フレーサーの手腕が冴えれば再びPO圏内も

 

Ajax

シーム・デ・ヨングとブリントを売却、第2GKに耐えられなかったフェルメールも去り、即戦力の新加入にフィールヘーフェルとミリクと最終日に間に合ったツィームリンク程度でジヴコヴィッチはヨングで早速出場停止と予想通り先が遠そうな雰囲気。モイサンデルが残留したものの、結局今回も本格派スピッツの獲得は無く、売るだけでお金を貯め込むオーフェルマルスに批判が集まっているが、予算をかけるのは相変わらずユースだろう。

 

AZ

ファン・バステン体制がスタートも相変わらずスチュワルトの腰が重く、ベーレンス、フィールヘーフェル、グドムンソンをスタメン選手を失い、目立つ補強はホッペルツとタンコヴィッチにジュピラー・リーグの点取り屋 ミューレン程度と、久々の欧州戦無しでスモール・セレクションなのを加味してもやや物足りない印象。

 

序盤4試合ではベルフハイスにスペースがある状況なら攻撃にクリエイティヴィティが見られるため、やはりカウンター志向か。

 

Excelsior

昇格1年目で戦力不足の懸念があったが、現有戦力が予想以上にエールディヴィジでやれており、テルスターから来たファン・ミーヘムも期待通りの活躍。GK デッカースが3試合連続ミスを冒してGK枠だけが不安か。

 

序盤4試合ではホームでGAイーグルスに競り勝ち、ヘラクレスに完勝と小さなサプライズ・スタートで残留へ向けて好発進。

 

FC Dordrecht

昇格1年目で守護神 ハーンとトップスコアラー フラドンを共にレンタルバックで失ったが、GKにはクルトー、スピッツにはリーデルとテン・フォールデとエールディヴィジ経験者を獲得し、コルテも再レンタルに成功。さらにAZからレンタルしたファン・オーフェレームも早速違いを作っており、期待以上の布陣を整えられただろう。

 

序盤4試合では初戦のヘーレンフェーン-uitで驚きの勝利の後、PEC、GAイーグルス、AZ相手にも互角以上に戦えており、残留への手応えは十二分にある。

 

FC Groningen

カウンター・フットボールで欧州戦POを勝ち抜きながら、そのキープレイヤーだったジヴコヴィッチとコスティッチが移籍、守護神 ビゾットも去ったが、フーセン、アントニア、パトと即戦力を補強し、CBにvdラーンも獲得。10番シェリーを中心としたポゼッション・フットボールに再び挑戦して序盤4試合でアヤックス-thuisに勝利など3勝と好スタート。今シーズンのユーロボルフは再び難攻不落な雰囲気で昨シーズンと同じ、最低でもPO圏内が目標。

 

FC Twente

予想されたタディッチとロサーレスの移籍けでなくプロメスも驚きのロシア行きで多きなダメージ。ただでさえ不足していたクリエイティヴィティを確保するためにグチェーレスが長期離脱の中盤にモコチョとツィエクというエールディヴィジ有数のMFを獲得、CBも移籍の可能性のあったベンソンの穴埋めにラチマンを例のごとく早めの補強。ただ根幹的な決定力不足の問題は原因のカスタイニョスが残留したためにボルフェンは2番手のままで代わりを得られず。駒不足のウィンガーにクスク、最終日にミヤイチをレンタルしたが、全体的に若いセレクションであり、序盤4試合全て引き分けとチーム形成に時間がかかれば昨シーズンのPSVの二の舞になる可能性はある。

 

FC Utrecht

ヴァウタースが去ってアドリアーンセ&アルフレン体制となってセレクションも大きな入れ替え。ムレンガが遂に契約終了で去り、デルピエーレ、vdフン、デ・リデル、ブルトハイス、マルテンソンに加えてトールンストラも移籍。新加入は中盤に出戻りのカーリにDFラインにクム、レーウヴィン、レッチェルト、前戦にはボイマンスデニー・フェルベーク、ルビン、バラジテ、ペーターソンという陣用。クオリティ面でどれだけ上昇したかはやや疑問だが、少なくともピッチ上でもリアクション・フットボールからアクション・フットボールへの転向に苦しんでおり、ボールを持ってもほとんどチャンスを作れていないため、例のごとく怪我人が重なれば今シーズンも苦しい戦いになるだろう。

 

Feyenoord

予想通りWKで活躍したタレントたちが去ってファン・ヘールの慌ただしい夏に。デ・フライとマルティンス・インディの代わりはすでにおり、さらにフリーのブラルーズもベテラン枠で獲得、ヤンマートの代わりもフリーになったウィルクシャーと上々の成果。中盤はクラーシが残り、ツィエクを獲れなかったがトールンストラとエル・アマーディと贅沢すぎる補強で間違いなくエールディヴィジ有数の質と量に。ただ問題のペッレの後釜はグイデッティもドストも叶わず、テ・フレーデの大ブレイクかカジム・リチャーズが予想を上回る事に期待。サイドにはバサチコグルを獲得し、マヌがレンタルバックで復帰と十二分。さらにGKにフェルメールととんでもないサプライズ補強を行い、久々の欧州戦とカンピューンスハップ奪回に本腰という印象。

 

序盤4試合でわずか5ptsと失望のスタートではあるが、プレー内容は上がってきているため、まだわずか3得点という決定力を解決するためにもテ・フレーデとカジム・リチャーズにかかる期待は大きい。

 

Go Ahead Eagles

昇格シーズンで楽々と残留しての2年目。ファルケンブルフ、ハウトコープ、アントニアと攻撃の核を失ったが、中盤にファン・オーイェンとダイツ、前線にデ・サとライメリンク、ルイス、スハルクを獲得。ただ爆発力に欠けるか、序盤4試合で1勝1分けとやや苦戦している印象。

 

Heracles Almelo

エールディヴィジ昇格10年目の記念のシーズンで、ポルマン・スタディオンの拡張工事も始まって久しぶりに気合いを入れた夏。パスフェール、リーンストラ、ウートが去り、シブン、フレデールス、ゾメルとフリーのベテランを獲得、9番にもアフディッチをレンタル。しかし序盤4試合で4連敗と昨シーズンからの悪い流れを断ち切れずに早々にヤン・デ・ヨンゲを解任。特にわずか2得点という攻撃力の無さが深刻で、残念だが現時点で最下位降格のトップ候補なのは否めない。

 

NAC Breda

ここ2シーズンの失望から立て直すため、最終ラインにセワンカンボ、ダムシェフスキ、アミュー中盤にデ・カンプスとファルケンブルフ、前戦にボアテングとペリツァを獲得。第4節 PEC-thuisで完全に相手を圧倒するなど、中位復帰へポジティヴなムードは生まれている。

 

PEC Zwolle

昨シーズンの流れを継いでJCスハールを獲り、初の欧州戦を経験するなどまたも歴史を塗り替えた2シーズン目。CBのラチマンに、クリシ、モコチョという中盤の核と、ベンソンとギオン・フェルナンデスの両スピッツを失ったが、CBにはセインスベリー、中盤にはリーンストラ、前戦にはステフ・ナイラント、ルコキと新加入が活躍して好印象。欧州戦は敗退で週1のペースを守れるため、今シーズンもコンビネーション・フットボールを継続して中位堅持は十分可能。

 

PSV

ルイスがレンタルバックで去っただけでレキクの再レンタルと主力は全て残留。中盤はリッツマイエルの出戻りとグアルダードのレンタルでスハールスの長期離脱を感じさせないほど層が増し、スピッツには待望のルーク・デ・ヨングを獲得。例のごとく夏の移籍市場最大の勝者であり、セレクションの質で言えば今シーズンもエールディヴィジ1,2位を争う陣用。さらに継続性という利点も活かして4連勝スタートと、悲願のカンピューンスハップ奪回なるか、という何回目だというシーズンスタート。

 

SC Cambuur

昇格1年目の良いフットボールを見せて残留しての2シーズン目。トップパフォーマンスを見せたCBデュオのレーウヴィンとvdラーンを失い、リッツマイエル、マヌ、ルコキのレンタル組も返却。DFラインにはライネン、フィタスとジュピラー・リーグからマッキントッシュ、中盤にはルスナク、前戦にはメレフ、ダニエル・デ・リデルを加入。序盤4試合でトゥエンテとフィテッセに引き分けの2勝2分けと好スタート。ヘンク・デ・ヨングの手腕の評価も高く、残留はもちろん中位へ上がる可能性も。

 

SC Heerenveen

昨シーズンのタレントがブレイクしての好パフォーマンスから大きな期待を持って迎えた新シーズンだが、トップスコアラー フィンボガソンはもちろん、ユースからブレイクしたバサチコグルとツィエクが買い取られて大きくダウン。バイス、トルスビー、ルム、サム・ラルソン、ダルガールトと新加入もまだインパクトはなく、ファン・アーケンとシンクフラーフェンが残ったが、『この夏の移籍市場最大の敗者』なのは明らか。違いを作れるのが新10番のシンクフラーフェンだけであり、ようやくスタメンのチャンスを得たスラフフェールがさらに成長し、第4節でハットトリックとようやく結果を出したウートが爆発できないとかなり苦しいだろう。プレー内容でもローデウェーヘスのもとでポゼッション・フットボールへ転向を目指すも、未だ苦戦中。

 

Vitesse

ヨルダニア騒動の後で新体制で迎えた初めての夏で動向が注目されていたが、レンタル組では全て戻って、Chelseaからはワラスとマクイランがレンタルのみと、さすがにポリシー変更は見られる。即戦力の新加入はクライスワイクの他にナイジェリアのダウダ、ウクライナのオリニク、ザンビアのナカンバと多様で未知数。序盤4試合ではおそらくエールディヴィジで最も良いコンビネーションを見せているが、ほとんどチャンスを作れずにわずか勝ち点1と苦しいスタート。新スピッツとしてここまで起用されているカザイシフィリは中盤でフットボールに加われるものの、最後の崩しでの存在感が無し。バカンス明け体重オーバーで調整中のイバーラが戻った時にどうなるか。

 

Willem II

ジュピラー・リーグ・カンピューンとしての昇格シーズン。ジュピラー・リーグのベスト・プレイヤー ボイマンスを失ったが、久々にエールディヴィジに戻ったベン・サハルを獲得、さらにアルメンテーロス、移籍市場最終日のぎりぎりにジェルソン・カブラルもレンタル。残留戦力でも10番のメサウドが違いを作っており、スタイン・ヴァイテンスも健在をアピール。前戦でもアンドラーデとオンダーンが強烈なインパクトで第3節ではAZ-thuisで完勝。残留する力は十分にある。