Mijn Feyenoord

Feyenoordを中心にNederlands voetbalを追いかける

2012-2013シーズン展望

ヨハン・クライフ・スハールを終えていよいよこの週末から新シーズンがスタートするエールディヴィジ。上位6チームで激しい混戦となった昨シーズンから今シーズンはどのような勢力図が描かれるか、大まかに展望。

 

ADO Den Haag

大躍進の後に苦しい1年を過ごし、この夏はインマルスとクムが去るもホラ、プポン、ケヴィン・ヤンセン、マイヤース、ヴォルムホールと積極的な補強。インマルスは去ったが、後はフェルフーク以降未だに埋まらない右サイドさえ埋められれば再びPO枠を狙える可能性もある。プレシーズンにそのポジションにはファン・ダイネンが起用されていたが、まだ確信は得られていない。

 

Ajax

クライフ戦争が遂に終結、テクニカル部門がようやく落ち着いて仕事ができる状態になって迎えたプレシーズンだったが、フェルトンゲンが去り、WK参加選手が調整遅れのためにヨハン・クライフ・スハールで現れたチームはトッパーを戦うには全く力不足。第1節AZ戦でいきなりこける可能性も十分にある。長期的に見ればフットボールの質は高いために今シーズンもカンピューンスハップを争うのは間違いないだろうが、昨シーズン同様に怪我人が重なると苦しい事態に。試合をこなしながらユース選手がどれだけ成長していけるか。

 

AZ

この夏もラスムス・エルム、ホルマンポウルセンが抜けて例のごとく主力流出。なかなか決まらないモイサンデルも移籍の可能性が高く、スモール・セレクションでフェルベークがどうやり繰りするか。幸いにも中盤には十二分に計算の立つヴィクトール・エルムが加入。マヘルも手放す予定はなくチームとしてフットボールの質はそれほど下がらないだろう。2年目のアルティドール、怪我から戻ったボイマンスが競争しながら好成績を上げていけば今シーズンも上位争いに絡めるはず。

 

Feyenoord

昨シーズン2位と巻き返した名門は今シーズンも堅実に欧州枠が目標。CL予選を見てもフラール、エル・アマーディ、バッカルの穴はそれなりに埋められているが、ずば抜けた存在感を見せていたグイデッティの穴を埋めるのは容易ではないのは明らか。移籍市場が閉まるまでにゴールゲッターを得られるかどうかが今シーズンの成績に大きく影響するだろう。もし誰も得られなければ落ち着きに欠けるフェルナンデスとまだ力不足のアシャバールでやり繰りしていくしかない。

 

FC Groningen

あまりに苦しいシーズンを過ごし、ハイストラが2年で解任。後任にオランダに戻っていたマースカントという期待の人選。契約切れの選手たちを多数放出してセレクションを整理し、ビゾット、デ・レーウ、ゼーファイク、スヘットと充実の補強。大黒柱タディッチの穴は未だに埋まっていないが、マースカントがチームに自信を与えられれば再び勇敢なフットボールを見せてくれるはず。目標は再びサブトップに戻ってのPO枠。

 

Heracles Almelo

クラブの象徴だったファン・デル・リンデンとブロイケルスが去り、大幅入れ替えのDF陣は正直未知数。中盤から前は意外にも今のところ選手たちが残っており、フットボールの質は下がらないはず。アルメンテーロスとヴェイノヴィッチの大ブレイクへの期待、そして新加入カスティリオンがフィットできるかどうか。今シーズンも魅力的なフットボールを見せ、その上でPO枠を狙いたい。

 

sc Heerenveen

大躍進を起こした昨シーズンからドスト、アサイディ、ナルシンの3トップが揃って移籍。監督もファン・バステンに代わり、FW陣が揃わない中でプレシーズンは奮わず。新シーズンへ向けて悲観論が起きていたがEL予選の初戦ではその予想を覆す素晴らしいフットボールを見せ、一気に評価を上げている。前線に光り輝くタレントはジュリチッチだけだが、ハードワークできる選手は揃っている。左サイドにヴィルツフットを獲得できれば局面打開の武器。さらに経験のあるアモアがゴールを量産できれば勢いが付く。昨シーズンほど安定した成績を望むのは贅沢だが、PO枠の目標は十分狙えるはず。

 

NAC Breda

あまりに自信なさげなプレーで下位に沈んだ昨シーズンからスヒルデル、ホルテル、コルクらが移籍。財政難で補強もそれほど進んでいないが、経験豊富なロームスとハドウィルが獲れたのは非常に大きい。ただFW陣が手薄なため、再び下位に沈むのを避けるにはルールリングが昨シーズン並の元気の良さを見せ、スハルクがブレイクすることが必須だろう。

 

N.E.C.

パストールのもと納得のフットボールを見せて後半戦大きく巻き返した昨シーズン。シェーネとホーセンス、ゼーファイク攻撃面の柱が抜けたが、中盤にはスノ、ロールダというまた違ったクオリティを補強。この2人とコールワイクでどんなフットボールを見せてくれるか期待が集まる。前線はジョージが怪我で出遅れているが、スタメン奪取に燃えているはずのプラーチェとレンタルバックのテン・フォールデの2人の得点力にかかっている。ナイティンクが移籍市場終盤で引き抜かれる怖れはあるものの、全てが上手くいけばPO枠も十分可能圏内。

 

PEC Zwolle

念願の昇格を果たし、久々にエールディヴィジに復帰。財源の問題からそれほど補強は行えていないが、失った選手も多くなく、新加入ベンソンとブルーセが期待に応えられるかどうか。RKCの旋風の再現も期待されるが、目標は現実的に残留。

 

PSV

毎シーズン本命に上げられ、シーズン半ばで首位に立ちながらウィンターストップ明けでの失速が恒例になっているが、アドフォカートとファン・ボメルを再び迎えた今シーズンこそ、との期待は非常に大きい。セレクションも今のところほぼ残っており、ナルシンというアシスト王も迎えて、懸案の守備陣にもザンカがプレシーズン好印象。ラビアトの穴もポジションを前に移したストロートマンが攻守に貢献できるはずで、エールディヴィジのクラブとしてはこれに不満を言うのはあまりも贅沢な盤石の布陣。ヨハン・クライフ・スハールで堅い守備とカウンターでの効率の良さも見せ、昨シーズン悪かったトッパーでの成績向上も期待できる。これで再びCL枠を逃すようならいよいよ財政破綻に近づくため、カンピューンスハップは目標ではなく義務と言うしかない。というかこれで再びティートルを逃したら間抜けとしか言いようがないレベル。

 

RKC Waalwijk

大きな驚きを与えた昇格シーズンからマイヤース、スノ、スヘット、ニメト、ファン・ハウト、テン・フォールデ、カスティリオンが去り、スナイデルとヨングシュレーガーを迎えた中盤に比べて前線はあまりに手薄。ヨルの推薦でフラムから獲得した新加入Barroilhetがどの程度やれるか。もう1人のフランス人 Chevalierと共に期待がかかる。DF陣は大きな入れ替わりはなく、ズートも再レンタルに成功。エルヴィン・クーマンの手腕に期待も、再びPOに進むのは至難の業であり、10位以内に入れれば再び軌跡。

 

Roda JC Kerkrade

再起を賭けるベテラン勢を中心に一時代を築いたが、ファン・フェルトホーフェンと共にフォルメル、ユンケルが去ってサイクル終焉。新たにブロートを招いてニメト、タマタらを獲得。他の新加入選手たちは未知数だが、今のところ残留の方向のマルキとニメトのコンビを活かせればリンカーライヒェに戻れる可能性は十分ある。

 

FC Twente

失望のシーズンからルーク・デ・ヨング、オラ・ジョンの黄金コンビが去ったが、待望の10番にタディッチを迎え、中盤にスヒルデル、スピッツにはブリキンとカスタイニョスという贅沢な補強。プレシーズンは左サイドでフレッシュなプレーを見せたチャドリとタディッチのコンビが特に機能しており、フィニッシュの精度さえ問題にならなければクオリティ面でも経験面でも陣用的にはPSVとも唯一争えるレベル。DF陣では新加入ビエラントの活躍が期待される。

 

FC Utrecht

下位で苦しんだ昨シーズンから、この夏も財政難で大きな補強は無く、すでにデムージュとスフットが去っただけでなく主力数人にまだ移籍の可能性が残っている状況。今シーズンも若手中心の戦いを強いられるのは間違いなく、もう数年は苦しい状況が続くだろう。数少ないプラス要因はムレンガの復帰。9番で起用されているゲルントが機能し、ムレンガが怪我無くプレーし、10番に移ったドゥプランが違いを作れれば面白くはなるが、毎年恒例の野戦病院化が起きれば再び残留争いに巻き込まれるだろう。

 

Vitesse

ヨルダニア政権3年目で今シーズンも事情は違えど夏に監督交代という状況に。しかし昨シーズン徹底した結果重視のフットボールを見せたファン・デン・ブロムに対し、ルテンが再び攻撃的なフットボールを見せてくれるのではという期待はある。この夏の移籍市場では妙に大人しく大した補強は行っていないが、柱のボニーは今のところ残留濃厚。懸案だった左サイドで起用されているライスがどの程度役目を果たせるか。アイサティ獲得に失敗したため、中盤のクオリティはファン・ヒンケルとプロッペルの成長にかかっている。今シーズンもPO枠が実現可能な目標。

 

VVV-Venlo

入れ替え戦ぎりぎりで踏みとどまった昨シーズンから、ナイジェリア路線を捨ててオランダの若手を育てる方針に戻った夏。ヨッペン、トゥルク、セイプとジュピラーリーグで結果を出し他選手たちを補強、固定できなかった右サイドにもライメリンクを獲得できたが、ヴィルツフットの残留は微妙。さらにヌウォフォルに続くスピッツも不在。ホラが去り、マグワイアが負傷離脱中、メーウウィスが十分期待に応えられておらずスタメン未確定の中盤はまだスタメンを固められておらず連携に不安がある。ここ数年続く負のサイクルを抜けて12~15位に入れれば成功だろう。ファン・ハーレンにとっては再起のかかるシーズン。

 

Willem II

デ・フラーフスハップが入れ替え戦でこけたお陰で誰もが予想しなかった1年でのエールディヴィジ復帰。しかしファン・ヒントゥムは浮き足立つことなくポリシーを守ったため、補強で大きなニュースになったのはマルセル・ブランツの息子ケヴィンの獲得程度。トリコロールが再び見れるのは嬉しい事だが、残留できたら奇蹟。