我がフェイエノールト

フェイエノールトを中心にオランダ・フットボールを追いかける

2011/2012 夏の移籍市場だいたいのまとめ

ADO Den Haag

昨シーズン旋風を巻き起こしたチームから戦力流出が懸念されたが、バイスが契約終了、クビクとブリキンのレンタルが終わりデライクがPSVに引き抜かれた程度で、他に狙われていたフェルフーク、トールンストラ、インマルスの引き留めにはそれぞれいろいろあった結果、成功。クビクの後のウィンガーにはフィチェントに続く駒としてジュピラーリーグからシェリー、フッシャーも獲得。ただブリキンの抜けたスピッツの問題は大きく、Quick Boysから獲得したファン・ダイネンの急成長に賭けるかという危険な状態。

チーム全体としても昨シーズンより明らかにコンディションが落ちており、運動量が低下している印象。昨シーズンの再現は現実的に不可能だが、なかなか好転しないムードを変えられるか。

 

Ajax

昨シーズンのクライフ騒動が引き金になったフロント一新により、またTDがおらず移籍市場の顔がよくわからない印象はあるものの、「ユースを重視し、クオリティの足りない部分を補強で補う」というわかりやすいポリシーで珍しく手堅い補強を実行。ライバルのトゥエンテからテオ・ヤンセンというトップクラスを3milで引き抜き、相手を弱体化させつつの補強という一挙両得。不作の左ウィングにRKCでブレイクしたブーリフテルを買い戻し、ケープタウンからタレント セレーロを引き抜き。懸案のスピッツにはAZからシクトルソンを5milで買い取り、アンデルレヒトがもてあましたブリキンを結局フリーで獲得するなど上手く立ち回った。

 

放出ではデ・ゼーウを6milという良い値段で売却、守護神ステケレンブルフが6.3milでやっと移籍。フェルメール以外計算できるGKがいないため、どうするかと思われたが、まさかのヤスパール・シレセン獲りでこの夏アヤックスの唯一の意味不明行動と世間を騒がせた。また最高額サラリー、年1.8milをかけている戦力外エル・ハムダウィ、そして同じくアイサティの売却は失敗。ロシア、トルコの市場に希望をかけるが、このまま高いお金を払って飼い殺しか、契約解除か。

連覇も十二分に可能なセレクションだが、シーズン序盤を見るだけでもパフォーマンスの安定感が問題に。

 

AZ

この夏もスモールセレクション化を推進。キャプテンのスハールスが遂に移籍し、モレーノ、シクトルソン、いつまで経っても帰国しない情報で騒がせたロメロとレギュラーを売却。

誰もいなくなったスピッツにボイマンス、そしてアルティドールを獲得。さらに人材不足の右サイドにフェルベークの直弟子的なベーレンスと最高の補強。今のところボイマンス以外は早々に期待に応えており、怪我がちな10番マルテンスの代わりもユース上がりの新鋭マヘルがブレイクなど、フェルベークらしい手腕でフットボールの質をそれほど落とさずにチームを継続させている印象。

 

Excelsior

この夏もほとんどが流出して完全にチーム入れ替えに。主力で残っているのはステーンセル、ニーフェルト、フィンケン程度か。今年もフェイエノールトからエクマン、スミス、メタイ、ラグイレー、ベルクフェンス、ケフィン・ヤンセンがレンタルされている。

現状まだチームとして形になっておらず、戦力としても昨シーズンを遙かに下回っていることから現時点で断トツの最下位候補に。

 

Feyenoord

例のごとく補強費の使用が認められない状況下で、この夏は主力のワィナルドゥム、フェルを国内のライバルに売り払わざるを得ないという厳しい立場に。それでも粘りに粘ってフェルに5.5milという値を付けさせ、インテルに去ったカスタイニョスに後釜にはフリーのフェルナンデス、レンタルで待望のスーパータレントのグイデッティ、中盤には経験あるバッカルをレンタルなど、ファン・ハールが流石の立ち回り。エル・アマーディがレンタルバック、エクセルシオールからクラーシ、ラムスタイン、ネロムが戻り、すでに主力として活躍している。第4節ではユース期待の新スピッツ アハバールがデビューするなど、今後もファン・ハステルの指導を受けたタレントたちがデビューしていく可能性が大きく、今のところクラブ内にはフレッシュでポジティブな雰囲気。この夏の収支でカテゴリー1脱出はほぼ間違いなく、後はピッチ上で結果を出し続けられるか。

 

De Graafschap

ワタマレオ、バイス、ブルコフ、ユングシュレーガー、バルガスらが去り、新加入はフェーンダムのセカンドスピッツ デ・レーウとリベリアのMF ジョンソン、チェコのGK Vaclík。今年もアタッカーの迫力不足は変わらず、終盤アンデルレヒトからBadibangaをレンタルしようとしたが結局断られた。

 

FC Groningen

DFラインからステンマンとグランクフィストが移籍し、スウェーデンの若手ヨハンソンとドイツ帰りのクワクマンという無難な補強。最終日に絶対的なエース マタフスを6milで売却したが、抑えてあったウルグアイのニュー・スアレス Texeiraを1.45milで獲得。チームとしては90分を通して見ると非常に不安定ながら良いフットボールを見せているため、トップ3に迫るには新スピッツが期待に応えられるかに注目。

 

sc Heerenveen

中盤からグリントハイム、あまり役に立たなかったハグルントとDF コーニングを放出。中盤にはクムスとレンタルバックのロールダを補強。懸案のDFラインはエル・アクシャウィのレンタルバックに留まっていたが、序盤のトップクラブとの連戦で大量失点が続き、NECから650kでゾメルを引き抜き。駒の豊富な前線は全員残留し、さらに驚きのシボン復帰。

アサイディ、ナルシンの両サイドの威力は変わらず、昨シーズン不調だったジュリチッチも好調なプレーを見せているため、守備陣の立て直しがキーポイント。第4節フェイエノールト戦では新加入のゾメルも不安定なプレーだったが・・・。

 

Heracles Almelo

新スタジアム建設に向けて、この夏もフレーデルスを売り払った程度でほとんど動きを見せず。新加入はエールディヴィジの経験もあるアタッカーのデュアルテとペドロ。第1節でRKCと引き分けるなど、まだ攻撃力が出てきていないが、プレットに爆発の予感。

 

NAC Breda

深刻な財政状況で苦しい夏に。ペンデルス、フェーエル、ブサボン等ベテランが去り、新加入はゾンネフェルト、ボテギン、バイス、レンタルのコルク、ボネファチア、ヨーゼフゾーンと最低限駒を揃えた感はあったものの、ピッチ上ではチームとして余りに力のない印象。第3節フローニンゲン戦では後半主導権を取り返して2点のビハインドを追いついたが、第4節RKC戦では届かず、未だ勝ち点1と苦しいチーム状態。ユース待望新スピッツ スハルクのデビュー戦ゴールが現状唯一の好材料。フィジカル的にも、メンタル的にもこの代表戦ウィークで立て直せなければこのまま下位を這い回る可能性も。

 

NEC

新監督パストールのもとでチーム新生。GK シレセン、DFラインからオッテンとゾメルが去り、中盤からはツィームリング、ダーヴィッツ、シブンが、前線からはクラブ史上初のトップスコアラーに輝いたフレミンクスが去った。代わりに右バックにはスモフスとコンボイ、中盤にはコールワイクとファン・フェルデン、マンチェスター・シティのタレント イブラヒム、前線にはプラーチェとナイラントを補強。プレシーズンでシェーネのスピッツ起用という大胆起用を採用したが、予想通り思うようにいかず第3節で早くもプラーチェのスピッツに転換。若手のテン・フォールデをレンタル修行に出したのははやりリスクが高すぎたとしか思えず、移籍市場最終日にPSVから逃げ出したゼーファイクをレンタル。

1コントローラーでアクション・フットボールをしようとする高い志をパストールのがどこまで保てるか。

 

PSV

3年連続CL出場権を逃し約20milの負債が報じられていたのは一体何だったのかという、反則的な方法で近年稀に見る大補強を敢行。ユトレヒトからメルテンス(8.5mil)、ストロートマン(4.5mil)、シヌー(フリー)、ワィナルドゥム(5mil)と立て続けに獲得すると、その勢いでティトン(レンタル、シーズン後に買い取りの予定)、デライク(750k)、そして最終日にようやく最優先事項だったスピッツにマタフス(7mil)を獲得。移籍市場序盤にジュジャクを放出した移籍金14milがあったとはいうものの、実に2500万ユーロ超を補強費に使用。不穏な噂の出たバウマ、ピータースも残留し、セレクションの若返りと一新に成功。あっという間にエールディヴィジで最もA代表選手を擁するチームに変貌した。

 

ライスの契約延長が行われておらず、よく分からない状況なのは気になるが、ジュジャク以外主力戦力の流出もなく、タレント ラビアトも結果を出すなど、戦力的にはカンピューンスハップの1番手に押しても何の不思議もない、一見ほとんど隙のない陣用・・・に見える。第1節、第2節とボロボロだったプレー内容も次第に好転しており、覇権奪回なるか。

 

RKC Waalwijk

圧倒的攻撃力でジュピラーリーグを大逆転で制したチームから看板の3トップが揃って移籍。代わりにテン・フォールデとカスティリオンという若手スピッツ二人をレンタルし、攻撃的MFマイヤースとの新攻撃陣を築き、JOの生GK ズートをレンタル。

ここまで4試合、ヘラクレスPSVローダJC、NAC相手に主導権を取りにいくフットボールを見せており、内容だけではなく結果でも序盤最大のサプライズを引き起こしている。前回のエールディヴィジでは内容に結果が付いていかず最下位に終わったが、今回は期待。

 

Roda JC Kerkrade

この夏最も出入りの多かったクラブ。ティトン、カー、デ・ファウ、ヴィレム・ヤンセン、ハドウィル、スコブ等が去り、ビーマンス、ヴコヴィッチ、モンタイネ、ブルコフ、フレデールス、ドナルド、デ・ブーレ、ラムジ、マーキらが加入。

第1節こそ後半フローニンゲン相手に10人での逆転劇を見せたが、その後3試合は全く良いところなく3連敗。チーム全体の運動量が落ちている印象で、この2週間でコンディションを立て直せるか。

 

FC Twente

ムンステルマンのもとでこの夏も無理をせずに堅実な動き。すでにフリーになるヴィレム・ヤンセンを手中にしていたため、テオ・ヤンセンをライバルにあっさり売り渡し、懸案の右バックに同じくフリーになるコルネリッセを獲得。ユース重視のアドリアーンセ就任によって予想通り大した動きに出なかったが、最終日にルイスを12milでイングランドへ旅立たせ、5.5milで念願のフェルを獲得。長らく代えの利かなかったブラマの代わりを得た意味も大きいが、「CBでも使える」と語っていたアドリアーンセがどのような起用を見せるかに注目。ルイスの代わりはタディッチ、ナルシンに手を出そうとしたが当然断られ、結局獲得せず。

テオ・ヤンセンに続くベストプレイヤーの移籍でクオリティ低下は明らか。カンピューンスハップを争えるか、ますますアドリアーンセの手腕に期待が。

 

FC Utrecht

エルヴィン・クーマンに監督交代も、この夏最も多くの主力流出の憂き目に。シルバーバウアーとコルネリッセが契約切れ、ファン・ヴォルフスヴィンケル、メルテンスとストロートマンを早々に引き抜かれ、マグワイアも移籍。大きな移籍金も得たが、大部分が負債返済に使われてボーイも身動きが取れず、スウェーデンの3タレント ニルソン、マルテンソン、ヘルント、日本のタレント タカギというあまりに計算しにくい補強。クーマンは若手を導けるベテランの補強を求めていたが、終盤にフロント独断でスナイデルをレンタル。クラブ内で騒動になったが、結局第4節ローダJC戦で素晴らしいデビューを果たし、ようやくコントローラーの穴が埋まった。そして最も大きいのがムレンガの復帰であり、大器の爆発に期待がかかる。

オールにブレイクの予感など多少ポジティブな要素はあるが、チームとしてはパワーダウンはどうしようもなく、レヒターライチェの上位が現実的な目標。

 

Vitesse

ジョルダニア体制2年目、ファン・デン・ブロムの引き抜きに成功し、さすがに無闇な動きを抑えて落ち着きが出てきた印象だが、それでも出入りが大きくプレシーズンは10数人でのトレーニングが続いた。アイサティとの契約失敗が痛いが、マティッチ、ロペスら結局役に立たなかったレンタル組を全て返却。守護神にスペイン帰りのフェルトハイゼン、DFラインにはレンタルしていたファン・ディールメンとドロストに加えてブラジルからアレックスとアンデルソンの双子。そしてチェルシーからタレント カラスをレンタルし、待望のベテランにはエストニアのPiirojaを獲得。中盤にはフリーになったホフスが帰還、アムステルダムで戦力外のファン・デル・ハイデン、シャルケからアナン、チェルシーからタレント Dávilaをレンタル。前線にはイェネルを獲得し、グルジアのウィンガー チャントゥリア、エクアドルのイベラを補強。

 

補強の遅れとビザの下り待ちなどでスモールセレクションの序盤ながら、スタメンの半数をオランダ人が占めるなど、ファン・デン・ブロムのもとで再びクラブのアイデンティティを取り戻しつつある。攻撃陣のパワー不足感はあるが、ここから新戦力を上手くかみ合わせられればリンカーライチェを狙える可能性も十分にある。

 

VVV-Venlo

エースのボイマンスが移籍し、あまり役に立たなかったポルトのジョスエ、チュラをレンタルバックし、修行に来ていたオーヨとフイチェビッチも帰った。

インテルからCBのメイをレンタル。国内で中盤にメーウウィスとマグワイア、モルフークを獲得できたのは大きいが、前線の補強はヴィルツフットのみで、今年も補強はナイジェリアの若手市場中心。Udegbe、Nwoforがウチェボとムサに続いて結果を出せるか。

すでにフィテッセとトゥエンテにそれぞれ4失点など今シーズンも苦しい戦いが続くが、チームとてして中盤の守備をどこまで機能させられるかが残留へのポイントに。