Mijn Feyenoord

Feyenoordを中心にNederlands voetbalを追いかける

2011/2012シーズン展望

いよいよシーズンスタートまで1週間を切った。移籍市場はまだ閉じておらず、国外からの動きによる大型移籍の可能性は最後まで消えないが一応各クラブのシーズン展望をしてみよう。

 

ADO Den Haag

大旋風を巻き起こし、クラブ史に残る1年だった昨シーズンからファン・デン・ブロム、ブリキン、クム、ボスハールトが去った。EL予選では第2ラウンドで苦杯を舐めたが(アウエーでの第1試合を終えて3-0のビハインド)フェルフーク、トールンストラは今のところ残留を決めており、シェリー、ヘッシャーの伸びシロのある新加入選手が成長すれば昨シーズンに近い成績を残せる可能性は十分ある。新監督スタインが新たにモチベーションを引き出せるかどうか。

 

AZ

キャプテンのスハールスがついに移籍、モレーノ、ファン・デル・フェルデンに加えてシクトルソンとペッレも去り、加わったのはボイマンス、アルティドレくらいで大きな戦力ダウンは間違いない。フェルベークがいつも通りユース出の若手を起用して成長させていくだろうが、肝心のゴールを奪えるかどうかは新加入の両スピッツにかかっている。

 

Ajax

念願の三つ星を獲得した勢いでライバルチームからベテラン層のテオ・ヤンセンを、懸案のスピッツにシクトルソンを一本釣り。唯一抜けたスタメンが絶対的守護神のステケレンブルフというのは大きいが、国内ではフェルメールでも十分だろう。JCスハールでもポジションプレーのレベルの高さは見せており、テオ・ヤンセンも問題なくフィットした印象で今シーズンもカンピューンスハップの有力候補。移籍市場ではスピッツとGKの補強を狙っているが、それよりもフェルトンゲンが残留するかどうかで最後まで気は抜けない。

 

De Graafschap

呆れるほど粘り強い戦い振りで見事直接残留を果たした1年前のジュピラーリーグ王者。ワーテルマン、ジョルディ・バイス、ブルーコフ、ユングシュレーガー、バルガス、ヘルシと主力が地味に抜けたが、新加入にリベリアの10番 Dulee Johnsonとフェーンダムのシャドウスピッツ デ・レーウ。相変わらずFW陣が弱いが、今シーズンも粘り強い戦い振りは変わらないだろう。

 

Excelsior

ヴァウデスタインで何度となくサプライズを起こしたチームからパストールが去り、フェルナンデス、コールワイク、ベルフカンプ、そしてフェイエノールトのユース出が入れ替えと、今年も残留を目標に一からチームを作る事に。この夏最も注目されたニュースが「トマソンのコーチ就任」と、「フェイエノールトから独り立ちの姿勢を匂わせる」という程度で今年も実態は始まってみないと分からず。

 

FC Groningen

ハイストラが1年目で好成績を残して期待の2年目。移籍濃厚だったマタフスが結局残留し、ステンマンとグランクフィスト、ガルシアが抜けた穴もスウェーデンの新鋭ヨハンソン、ドイツ帰りのクワクマンと安心の補強。昨シーズン終盤にインパクトを残したフィルジル・ファン・ダイクはこのプレシーズンもCBで好プレーを見せており、大ブレイクの予感。ウルグアイの新鋭FW マティアス・ヨネスも注目したい。昨シーズンは終盤失速したが、AZを抜いてトップ3に近づく1番手。

 

FC Twente

色々な意味で絶対的存在だったテオ・ヤンセンをいつも通りあっさりと放出。プレドームオイルマネーに引かれて去っていたっが、オランダフットボール界の夢だったらアドリアーンセ招聘についに成功。攻撃的フットボールの再来に大きな期待を受けてのシーズンに。懸案の右バックにコルネリッセ、テオ・ヤンセンの抜けた中盤にはヴィレム・ヤンセンと理想的な補強。若手起用に定評のあるアドリアーンセがさっそくプレドームが使わなかったウィンガー ベルフハイスを抜擢しプレシーズンで大きなインパクトを残している。昨シーズン適応に苦しんだヤンコもザルツブルクで指導を受けたアドリアーンセの元で復活の期待が大きい。チャドリを10番で起用、ルイスも今のところ残留濃厚で前線のバリエーションは多彩。ただブラマの代わりがいないなど中盤の層は相変わらず薄い印象がある。

プレシーズンではアドリアーンセのプレッシングフットボールは浸透しており、さらにアドリアーンセの哲学が浸透していけばカンピューンスハップの本命に。

 

FC Utrecht

昨シーズン終盤の不調でPO枠を逃した事でドゥ・シャティニエルを解任。エルヴィン・クーマンがオランダ・フットボールに復帰させたのはいいが、シルバーバウアー&ストロートマンの両コントローラーが抜けてコルネリッセ、ファン・ヴォルフスヴィンケル、メルテンスと違いを作れる選手が尽く移籍。中盤で便利屋役だったマグワイアも移籍し、補強したのはここまで日本とスウェーデンの若手とかなり未知数。プレシーズン終盤にはトップクラッセルのスパーケンブルフと引き分ける赤っ恥も。フォルムも移籍の希望を出しており、これが実現すれば今シーズンはかなり苦しい状況になる。昨シーズン棒に振ったムレンガのカムバックに大きな期待がかかっていたが、スパーケンブルフ戦でハムストリングを痛めていきなり第1節は微妙。

 

Feyenoord

悲劇的シーズンからサポーターのフロント批判が続き、プレシーズン半ばにマリオ・ベーン解任とクラブの体裁を整えるのにさえ苦労したこの夏。しかしわずか数日でロナルド・クーマンを招き、ファン・ハステルとファン・ブロンクホルストの3人体制を築いたのは評価できる。セレクションに目を向けるとデ・フライ&フラールが契約延長にサイン、ワィナルドゥムは去ったがフェルは十分なオファーが来ずに残留濃厚な状況なのは幸い。さらに相変わらず移籍金が出せない中でエクセルシオールからフリーのギオン・フェルナンデス、さらにクラーシ、ラムスタイン、ネロムを戻し、長期離脱していたダニ・フェルナンデス、シセ、スヘンケフェルトもカムバック間近。しかしカスタイニョスとワィナルドゥムの二人が抜けた分の得点数の穴は大きく、ギオン・フェルナンデス、シセの能力をフルに活かせないと一応目標のPO圏内は到底不可能。

クーマンフットボール能力の高い中盤のタレントを中心にチームを作ろうとしているが、まだ時間をかけられておらずスタイルを作りながらのシーズンin。しかし第2節からサブトッパーとの連戦になるため、道のりはかなり厳しいと言うしかない。サポーターは「とりあえず様子を見る」姿勢が強いが、序盤でつまずけば再び批判が吹き荒れるだろう。万が一VvFの協力でインマルス獲得に成功すればデ・カイプに希望の風が吹くが・・・

5月に圧倒的クオリティで欧州を制したO/17オランイェの中心選手たちがどれくらいの時期にトップチームに上がってこれるかもポイント。

 

Heracles Almelo

オーフェルトームに多少噂があったが、今のところスタメン主力の移籍はフレデールスのみで新加入もデュアルテ、ペドロと懐かしい顔程度と異様に静かな夏。昨シーズン後半の巻き返しをベースに攻撃陣が爆発できれば今シーズンもPOは射程圏。新スタジアム完成へ向けてクラブの将来は明るいだろう。

 

NAC Breda

チームの象徴ペンデルスが引退、フェーエル、ブサボン、コルカらが去り、絶対的エースのアモアにも移籍の可能性がつきまとう落ち着かない状況。エリック・ボテヒン、ジョルディ・バイスとマイク・ゾンネフェルトという実績のある選手を獲得、ドイツからコルクを、アヤックスからヨーゼフゾーン、ボネファチアをレンタルと厳しい財政状況で最低限の補強。今シーズンは中位維持だろう。アモア、ルーリング以外のどうしても前線が見劣りするためユース出のFWがインパクトを残せるか。

 

NEC

シェーネのスピッツという大胆なプランでポゼッションフットボールを目指そうとしているパストールだが、プレシーズンの戦い振りを見る限りまだ完成度は低く、到底フレミンクスの穴が埋まる予感はない。明らかにシェーネをトップ下起用した方がチームの攻撃のクオリティが上がっており、テン・フォールデに経験を積ませるためにレンタルに出した事で高い代償を払う事になるだろう。望みはプラーチェがそのセンスを活かせるポジションを見つけられるか、そしてナイラントが壁を越えられるかどうかだろう。全員守備の意識の高いチームだが、コールワイク1枚のコントローラーも若干不安。ファン・アイデンやマンCからレンタルしたイブラヒムが同時起用される可能性もある。

 

PSV

3年連続CL圏内を逃し、約3000万ユーロの負債が報じられた昨シーズン終了直後から一転、アイントホーフェン市の大規模援助政策とフィリップスや新スポンサー、銀行からの大型融資で実に8000万ユーロ近い現金を手にする卑怯としか言いようがない裏技で大型補強に。

『エース』のジュジャクを売った金も併せてメルテンス、ストロートマン、ワィナルドゥムと国内の若手スターを次々に獲得。カンピューンスハップを逃した最大の原因であり最重要事項のスピッツをなぜ真っ先に取らないのか謎だったが、アヤックスで戦力外のエル・ハムダウイ獲得にようやく動きだした。周りの選手を考えるとターゲットマンタイプの方がいい気はするが、トイヴォネンのトップ下とは合うだろうか。獲得出来た場合はルテが上手くチームにフィットさせられるかどうかの手腕が注目される。

新加入の3選手は問題なくフィットしており、特にストロートマンはプレシーズンで存在感を発揮していることからエンゲラールも十分なオファーが来れば放出の意向。マザの抜けたCBの補強にもう1枚欲しいところだろう。

 

RKC Waalwijk

自慢の3トップを中心に圧倒的攻撃力でジュピラーリーグを大逆転で制したがデ・フロート、ブーリフテル、ベンソンと揃って移籍。NECからテン・フォールデをレンタルしたが、正直あまりにもきつすぎる。ここ数シーズン、ジュピラーリーグの王者は1年目それなりの成績を残してきたが、RKCは今回も残留に向けてかなり苦しい戦いになるだろう。

 

Roda JC

ヴィレム・ヤンセン、デ・ファウ、カー、ハドウィル、ボドル、スコブが移籍、ヘラクレスからフレデールス、アヤックスからドナルド、デ・フラーフスハップからブルーコフ、ヴィレムIIからビーマンスを獲得し、PSVからヴコビッチをレンタル。他にベルギーのMartijn MonteyneとDavy De Beule、さらにモロッコのアディル・ラムジをサプライズ補強。エースのユンケルには幸いにも動きはなく、おそらくティトンも問題ないだろう。今シーズンもPO圏内から上を狙えるはず。

 

SC Heerenveen

失望に終わったヤンス1年目からこの夏は大きな動きはなく、継続で底上げ、サブトッパーへ巻き返しを狙う2年目。抜けた主力はヨン・ア・ピンとグリントハイム、ミカ・ヴァイリネン、ストゥール・エレガールト程度。GKはファンデンブッシュとステッペが怪我から戻っており問題なし。左バックにはエル・アクシャウィがレンタルバック。中盤も移籍の噂が絶えなかったロールダがプレシーズン終盤の負傷で結局残留。ベルキーからクムスも加わった。トップ下にはジュリチッチがプレシーズン好調な働きを見せており、いよいよ大ブレイクの予感。ベーレンスが未だ残るウィンガー陣の層の厚さはエールディヴィジ随一。スピッツにはベテランのシボンが驚きの復帰を果たしたが、当然主力のドストにかかっている。ELPO枠は十分狙えるはず。

 

VVV-Venlo

昨シーズはポルトガル&ナイジェリアのタレントを集め、クラブポリシーにやや迷走した感があったが、この夏はナイジェリアの若手がO/20WKでいなかった事もあり、オランダの若手中心にチームを再建。メーウウィス、マグワイアというベテラン&中堅を中盤に補強し、キープ能力&パス能力の高いクライセン、献身的な運動量でボール奪取能力の高いクレンとの4人で中盤を構成する事でチームに安定感が戻った印象。昨シーズン怪我で棒に振ったブライアン・リンセンには昨シーズンのチームに欠けていたクリエイティビティが備わっており、このベースの上に上手くナイジェリア勢のスピードとパワーをプラスできれば、波に乗って十分中位を狙えるチームに。

 

Vitesse

ジョルダニアの嵐が吹き荒れた1年前に続いてこの夏も出入りが激しく、いまだ形は見えない。フェレールを若干中途半端なタイミングで解任した末にファン・デン・ブロムを引き抜きに成功したは良いが、わかりやすい補強はフェルトハイゼンがgdgdのスペイン旅行の末に戻って来た程度。唐突に南米コネクションの補強を見せるなど、今シーズンもユース出の若手は苦労しそう。

第1節はいきなりデン・ハーグでの試合で凄まじい雰囲気になるだろう。